入れ歯のお手入れは毎日されていますか?

入れ歯のお掃除

こんにちは。寒竹ファミリー歯科です。

むし歯や歯周病などにより歯がなくなると「入れ歯」を選択する方も多くいらっしゃいます。
しかし、入れ歯のお手入れを怠ると、「誤嚥性肺炎」のリスクが高まります。
今回は、入れ歯と誤嚥性肺炎の関係について、お話しします。

入れ歯と誤嚥性肺炎の危険な関係

「入れ歯の手入れを怠ったくらいで、肺炎になるなんて大げさじゃない?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際には、入れ歯の汚れが誤嚥性肺炎のリスクを高める要因となることがあります。

入れ歯の汚れは細菌の温床

食事をすると、食べかすが入れ歯に付着します。これを放置すると、口の中の細菌が繁殖し、プラーク(歯垢)と呼ばれるネバネバした塊になります。
このプラークはただの汚れではなく、1mgあたりに1億個以上もの細菌が含まれています。特に、入れ歯の表面にある目に見えない無数の小さな傷や、金属のバネの周りは、細菌が潜みやすい場所です。

誤嚥性肺炎が起こる原因

誤嚥とは、食べ物や飲み物、唾液などが誤って食道ではなく気管に入ってしまう状態を指します。
健康な方であれば、むせたり咳き込んだりして気管に入った異物を外に出す「咳反射」が働きます。しかし、高齢になるとこの反射機能や飲み込む力(嚥下機能)が低下し、誤嚥しやすくなります。
このとき、入れ歯に付着した細菌だらけの唾液や、細菌が混じった食べ物のカスを一緒に誤嚥してしまうと、細菌が肺にまで達して炎症を起こします。これが、誤嚥性肺炎です。

正しい入れ歯の手入れ方法

誤嚥性肺炎を予防するためには、毎日の正しい入れ歯ケアが欠かせません。

手入れに必要な道具と選び方

義歯ブラシ

入れ歯専用のブラシです。通常の歯ブラシよりも毛が硬く、広い面を磨く部分と、くぼみやバネの部分を磨くための細かい部分があり、効率よく汚れを落とせます。

入れ歯洗浄剤

ブラシだけでは落としきれない目に見えない細菌の除去や、着色汚れ・臭い対策のために使います。毎日使える錠剤タイプが手軽でおすすめです。

入れ歯ケース

入れ歯を保管するための専用容器です。乾燥を防ぎ、衛生的に保つために必須のアイテムです。

毎食後に行う基本的な洗浄手順

毎食後、必ず入れ歯を外して洗浄する習慣をつけましょう。

1.入れ歯を外す前に口をゆすぐ

口の中に残っている大きな食べカスを水でゆすいで洗い流します。

2.流水下で入れ歯を洗う

洗面器などに水を張り、その上で入れ歯を流水にあてながら、食べカスを大まかに洗い流します。洗面器を使用する理由は、万が一落としても、破損を防げます。

3.義歯ブラシでやさしく磨く

水をつけながら、義歯ブラシで歯の部分、歯ぐきに当たるピンク色の部分、金属のバネの部分などを丁寧に磨きます。特に汚れがたまりやすいバネの周りや内側のくぼみは念入りに行いましょう。

歯磨き剤は使用しないでください。歯磨き剤に含まれる研磨剤が、入れ歯の表面に細かい傷をつけてしまい、かえって汚れが付きやすくなったり、細菌が入り込みやすくなったりします。また、睡眠中は唾液の分泌が減り、細菌が最も繁殖しやすい時間帯のため、就寝前は毎食後のケアに加えて入れ歯洗浄剤を使った特別なケアを行いましょう。

定期的に入れ歯の調整を

自分の健康を守るためには、毎日の正しい入れ歯ケアが何より大切です。
また、合わない入れ歯を使い続けると痛みが出たり、うまく噛めなかったりするだけでなく、汚れもたまりやすくなります。定期的に歯科医院を受診し、入れ歯の調整をしてもらいましょう。
当院では、入れ歯の調整やお口のトラブルなどをチェックするための定期検診を行なっています。不安なことやご不明点があれば、お気軽にご相談ください。

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