インプラント治療について

インプラント治療とは、歯が抜けた部分の顎の骨に人工の歯根(インプラント)を埋め込み、その上に人工の歯を固定する治療方法です。

治療は1本の歯がなくなった場合から全部がなくなった場合まで、幅広く対応が可能です。
さらに、顎の骨とインプラントは強固に結合するので、ご自身の歯と同じようにしっかりと噛むことができます。

このようなことから、インプラントは乳歯・永久歯に続く「第3の歯」と呼ばれています。

当院では、一人ひとりの患者様に最善を尽くせる体制を整え、治療内容について話し合うカウンセリングの時間を持ちます。インプラントについてご理解いただきやすいように、分かりやすくご説明しています。

インプラント治療

その他の治療法との比較

歯を失った部分の治療法は両隣の歯を削って連結している差し歯を入れる「ブリッジ」、残っている歯に留め金を掛けてご自身で取り外しをする「入れ歯(義歯)」がありますが、それぞれに利点と欠点があります。

ブリッジ

歯のなくなった部分に隣接する歯を削り、橋渡しをするようにかぶせ物をかぶせて噛めるようにする治療です。

メリット

  • 3~4回の治療回数で治療できる
  • 違和感が少ない(取り外しがない)

デメリット

  • 周囲の健康な歯を削らなければならない
  • 周囲の歯に負担を掛けてしまう
  • 汚れがたまりやすい

入れ歯(義歯)

歯のなくなった部分に隣接する歯やその他の歯に、金具の付いた人工の歯(入れ歯・義歯)を引っ掛けて噛めるようにする治療です。
※自費診療では金具のないタイプもあります。

メリット

  • 健康な歯をほとんど削ることはない
  • 保険が適用される
  • 取り外しができるため、清掃しやすい

デメリット

  • 違和感が大きく、慣れるのに時間がかかる
  • 金具をかける歯に負担を掛けてしまう

インプラント

歯の抜けた部分の顎の骨に人工の歯根(インプラント)を埋め込み、その上に人工の歯を固定する治療方法です。

インプラント

メリット

  • 噛み心地がよい
  • 天然の歯に一番近く、違和感が少ない
  • 他の歯を削ることがない
  • 他の歯に負担を掛けることがない
  • 見た目がきれい

デメリット

  • 保険が適用されない
  • 外科処置が伴う

インプラントの構造

インプラントは上部構造・アバットメント・インプラントの大きく3つの構造に分けられます。

1.上部構造(かぶせ物)

かぶせ物になる部分です。患者様の希望に合わせてセラミック・金属・ハイブリットセラミック等、さまざまな人工の歯を作ることができます。

2.アバットメント

インプラントと上部構造(かぶせ物)を連結するための部分です。人工歯がインプラントに直接付く場合もあります。

3.インプラント

顎の骨に埋め込む人工歯根の部分です。材料は強度と生体親和性が高く、骨との結合がよいチタンやチタン合金が主に使用されています。

インプラント構造の説明

インプラント治療の流れ(2回法の場合)

インプラント治療には1回法と2回法の二つの方法があります。
この違いは歯ぐきを切開する手術を1回行うか、2回行うかという点で、アバットメントを1次手術で取り付けるものが1回法、2次手術で取り付けるものが2回法です。
インプラントを顎の骨に埋入した後、骨としっかり結合するためには一定の期間が必要になるため、人工歯を付けるまでの期間は個々の症例によって判断します。
一定期間を経た後、型を採って人工歯(かぶせ物)の作製を行います。
完成した人工歯をアバットメントにセットします。

問診

治療計画を立て、お口全体の問題を検査し診断いたします。
インプラント治療を受けたい理由やご要望などを伺います。

STEP
1

検査

歯科CTによる撮影、歯を失った原因の検査、顎の骨の状態、歯ぐきの厚みなどの状態を調べます。
場合によっては全身状態の把握のために血液検査を行うこともあります。
レントゲンで骨量、骨質、骨形態などを精査します。
最終的な治療計画、見積もりを提示いたします。
じっくりご検討いただき、患者様に納得していただいてからインプラント治療を開始します。

STEP
2

治療

インプラント手術の前に虫歯や歯周病の治療を致します。
場合によっては抜歯部分の治癒を待つために、数か月待ってからインプラント埋入手術を行います。
中には抜歯即日埋入を行うことができるケースもあります。

STEP
3

第1次手術

第1次手術では、健康状態を調べて手術を受けられるかどうかを確認した上で、滅菌された環境で行います。
歯や歯ぐき、舌の清掃・消毒をして麻酔します。
歯を失った部分にインプラントを埋め込む手術を行います。埋め込む本数によりますが、1本の場合は手術時間は1時間~2時間ほどです。

STEP
4

インプラントが骨と馴染むまでの治療期間

インプラントが骨と馴染むまでの期間、手術翌日には消毒のため、約1週間後には抜糸のために来院していただきます。手術後数日間は抗生剤や炎症を抑える薬を服用ください。
目安として上顎にインプラントを入れた方は3~6か月、下顎ならば3か月ほどです。
患者様の口腔内の状態によって異なります。

STEP
5

第2次手術

第2次手術とは、最終的にかぶせる人工の歯の土台となるアバットメントを装着する手術です。
局所麻酔をして歯ぐきを切り、埋め込んでいたインプラントの頭の部分を露出させます。
この段階で骨としっかりと結合しているかを確認します。歯ぐきから少し露出する背の高いヒーリングキャップをインプラントに付け替えます。

STEP
6

上部構造(かぶせ物)の作製

1週間後くらいに型を採ります。
場合によってはインプラントとの装着具合をチェックするために、確認の工程を行います。
完成後、お口の中に装着し治療終了です。

STEP
7

メンテナンス

お口の健康維持と長期的なインプラント使用のために、専門の歯科衛生士による衛生指導と歯科医師による1か月後・3か月後・半年後・1年後の定期検診を受けていただきます。

すべての患者様にとって口腔ケアは大切ですが、特にインプラントでは快適に長く使い続けていただくために、定期検診と患者様ご自身による毎日のプラークコントロールが必須となります。

STEP
8

治療後のメンテナンスのお願い

インプラントは「入れたら一生」というものではありません。

インプラント治療を受けた場合、定期的な検診やメンテナンスが欠かせません。
インプラント自体は、虫歯にはかかりませんが、口腔内の衛生状態が悪いと、インプラント周囲炎という病気にかかる可能性があります。

寒竹ファミリー歯科では、インプラント施術後もアフターフォローを行い、快適にお使いいただけるようにしています。
歯をケアするのと同じように、毎日の歯磨きをしっかり行い、定期的な歯科検診を受けましょう。
定期検診やメンテナンスによって、インプラントの機能を長く維持しましょう。

インプラントのよくある質問

インプラント治療は痛くないですか?

顎骨に打つというのを想像するととても痛そうですが、実際にはそれほど痛みを感じることはありません。
骨自体にはそんなに敏感な感覚はありません。顎骨は発生学的にも感染にとても強い組織なので、実は口腔内に露出していてもあまり痛みません。

また、術中は麻酔をしっかり行うので痛みは感じません。
術後麻酔がきれると痛みを感じますが、痛み止めを処方しますので、特に心配はありません。

手術時間はどのくらいですか?

本数や部位によりますが手術時間は30分~1時間程度です。
準備などがあるので当院の滞在時間は2~3時間程度になります。
処置後は普通に帰宅できます。

治療期間はどのくらいですか?

骨と埋め込んだインプラントがしっかりと馴染むまで一定期間が必要です。
上顎は骨がやわらかい性質があるので3~6か月、下顎は3か月という比較的長期間となります。
その期間は仮歯や仮の入れ歯を使用していただきます。

インプラントはどのくらい保ちますか?

現在の治療法としては一番有効で予知性(良好な予後)の高いものに位置付けられていますが、残念ながら一生保つものではありません。
お口の中の条件はとても過酷なため、天然の歯より長持ちするかというと疑問です。ただし、現在インプラントは進化し続けているので今後もっとよいデータが出てくる可能性もあり、実際に条件が整えば一生保つという報告もあります。

インプラント治療は誰でも受けられますか?

全身状態や骨の状態によっては適用できないことがあります。
糖尿病・腎不全・肝炎・心臓病・骨粗鬆症・高血圧・妊娠中の方・ヘビースモーカーの方などはインプラント治療が制限される場合があります。
また歯を抜いた状態が長期間の方は、埋め込む土台となる骨の高さや幅がない場合があり、適用が難しくなることもあります。

保険診療が適用にはならないのですか?

残念ながら今のところ難しいと思います。

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